終末と死の匂い
最近ゲームで遊んでいて時々思うことのひとつが、「これ、対象年齢相当高いんでないの?」ということ。
FF7なんていい例である。深層心理というかユングというか、罪の意識に死の匂いに自己からの逃走だぁ?
面白くないことはないのだが、なんでここまで暗いかなーとか思ってしまうわけだ。
実現されない自己から逃げ出したあげく偽の記憶を作り上げてしまう主人公なんて、なんか感情移入できないぞ。だってそれにしては強すぎるもんな。強くなれなかったから、逃げ出したというならまだ解るけど、化けものじみた強さ
がないとなれないものなんて、普通、なれないからといって悲観するようなもんじゃないよね。
たとえば私、昔バスケットボールやってたんだけど、仮に今やっててもマイケル・ジョーダンみたいになれなかったから悲観したりするとはとても思えない。そういうレベルの問題でしょう?
ま、おじさんといわれても腹の立たない歳になって、少々の苦さとともに捨て去った夢なんてのはあるけどね。少なくとも少年の頃の自分にはもっと切実でもっと逃げることのできない現実が、目の前にあった。
なのにこれらゲームではいともたやすく心身の破壊行為に走るのだ。ま、そういう意味では「現代的」かもしれないが、こんなもんに共感する子供ばかりになって欲しくないぞ、俺。
そういう点で、今つくられているものを見てると、中途半端やなーとおもうわけだ。子供にとっては暗すぎ・複雑すぎ・難解。大人にとってはいまひとつ掘り下げに欠けるお話。
もう少し文学とか哲学とか研究してほしいなーと思う。画面での表現力というのはとても大きなものになってきているがゆえに「何か新しいもの」を表現しているように錯覚しているのではないのかな?
申し訳ないが、そういう意味での「面白さ」についてはまだまだとても未熟とさえいえるレベルじゃない。ゲームとしての面白さが、そういったことを覆い隠す。だが実際は陳腐なお話であることがまだ多いと感じてしまう。
もちろん、文学などと異なり、ゲームは最初から商品として普及されていったがゆえの限界と宿命を多分もっているのだろう。けどね、けどこんなもんじゃないはず。
私、教師やってて、子供達が雑誌以外の本をあまり読まないのをよく知ってます。小説なんかでも軽いというか、マンガ的小説というか、そういうものしか読まない子が大半です。そして、ゲーム。私ね、ゲームも、そーゆー軽い小説も好きだし、結構読んでます、やってます。ただ、「それだけ」なのがさみしい。また、おそろしい。
終末と死の匂いなんて子供のころから慣れなくてもいい。